著者の大愚元勝さんは33万人超の登録があるYouTube「一問一答」を持たれている方でこのひとりの「さみしさ」とうまくやる本は数日前に出版されたもので確か3冊目の著書かなと思います。
いろんなさみしさにフォーカスをして処方箋を出されています。いろんな悩みの投稿を読んでいて「さみしい」というこころの叫びが聞こえるとありました。
老いの寂しさ、おひとり様の寂しさ、集団の中での寂しさを感じたとき、友達がいない寂しさ、家族の中での寂しさ、死別の寂しさについて書かれていました。コンパクトに書かれているのに一つ一つが深くてまだちょっと未消化な感じなので家族の中での寂しさについての振り返りをしたいと思います。
まず、問題のない家族は存在しないと始まっています。人間が寂しさを感じるというのは悩みを吐き出せないで、自分だけがこういう悩みを抱えているのではないのかと感じたり、だれかれ構わず相談できるものでないという時より寂しさが増すと思います。
僧侶というのはお彼岸やお盆、法事、と決まったタイミングやお葬式といろんな場面でお檀家さんを訪ねてお仏壇などにお参りにいき、ご家族と話をしたりします。時には何代も前のご先祖様からのお付き合いがあったりするのです。これは私の父の実家がお寺であったのでわかります。これはかなり特殊な環境だといえます。一般の家庭に上がって仏壇にお経をあげてご家族と話をして何代ものいろんなご家族と話をする。お亡くなりになってお葬式を取り行う、長々と書きましたが、人間の真理に携わってこられているということなのです。
その大愚和尚が「問題のない家族は存在しない」と断じていることは生きていく上での覚悟も決めることができると思います。
この問題は必ず存在するという前提の家族ならどのような心構えでいればよいのかということが仏教の教えをもって解かれています。
大愚和尚様へ思春期の子どもを目の当たりにしての悩みが多く持ち込まれていますとありました。
思春期のことについてカニの脱皮について書かれていてカニは甲羅だけでなく内臓まで一緒に脱皮する、命がけの時期だと書かれていました。これまでセミの脱皮やいがぐりの堅いからにもたとえられてきました。
この時期の親はどうすればいいのかこの本で「六方礼経」を紹介して
1子どもに「悪いこと」をさせないようにする。
2「善いこと」を行うよう奨励する。
3教育を与える。
これらを行えば、一切口出ししないでどんな大人になるのかを楽しみに待てばよいのです。
とあります。自分の思春期だったときを振り返っても難しいけれどそれが良いと思い当たります。